実はウーバーイーツで使う仕訳パターンは少ないから、覚えたらあとは簡単だよ!
いざ確定申告をしようと、会計ソフトを立ち上げたのは良いけど、仕訳の方法が分からず困ってませんか?
簿記に触れたことのある事務系の方ならまだしも、一般職の人だとなかなか仕訳とかする機会なので、やろうと思ってもできないですよね。
しかも副業解禁されたばかりで、ウーバーイーツが初めてと言う人も多いと思います。
そこで今回は
- 「仕訳の仕方がわからない」
- 「ネットに書いてあるけどウーバーの場合はどうする?」
- 「一連の流れがよくわからない」
- 「どの会計ソフトを使えばいい?」
と悩んでる方向けに、ウーバーイーツでよく使う仕訳の仕方を、詳しく解説していきます。
会計ソフトは「freee」か「マネーフォワード 」を使おう
その理由としては、過去に入力した仕訳パターンを記憶しているので、同じ仕訳が発生したら、ボタン1つで処理できる点が優れてます。
- 銀行と連携して情報を入手できる
- 過去の仕訳パターンを記録しておける
- 確定申告の書類の準備がラクチン
- 税理士に依頼するより、はるかに安くで済む
これだけでも圧倒的に帳簿付けがラクです。
個人事業主や中小企業で使われてるクラウド会計ソフトで、No.1、No.2だけあって、見やすさ・使いやすさを重視してあるし、初心者にとって分かりやすい。
ウーバーイーツを副業として、もしくはメインでやっていくって人は確定申告が必要になるので、クラウド会計ソフトを使って仕訳をしましょう。
売上
まず最初に「売上」の項目から解説していきます。
ウーバーイーツで配達が完了すると、数百円の売り上げが立ちます。
しかし1つの配達ごとに仕訳をしていては、1日に数十件も配達をする専業の人だと、時間がいくらあっても足りません。
そこで僕がしている方法は、1日ごとの売上金額を元に、会計ソフトに仕訳を入力するようにしています。
「クレカ払いのみ」と「現金・クレカ払い」によって、仕訳の仕方が違ってくるので、参考にしてください。
クレジットカード払いのみ
配達の中で「現金」のやり取りが一切ない、クレジットカード払いのみのパターンは、とても簡単です。
なぜなら配達した際の売上と、お客さんが支払った購入代金が同一なので、貸方と借方に入る仕訳パターンが同じだからです。
ではどのような仕分けになるかというと
借方 | 貸方 |
売掛金 10,000円 | 売上高 10,000円 |
つまり相手から現金を未回収の時に、使用する勘定科目です。
僕たちはレストランで商品をピックアップした後、お客さんの指定した場所に配達します。これで配達が完了しているので、「売上」が発生します。
ですがお客さんから「配達料」をもらうわけではないですよね。
そうです。
ウーバーイーツ が1週間分の配達料(売掛金)をまとめて支払います。
この1週間支払われてない配達料が「売掛金」です。つまりウーバーイーツが僕たちに払ってないお金があるから、売掛金で計上します。
ではウーバーイーツからお金が支払われた場合は、どう仕訳をするかというと
借方 | 貸方 |
普通口座 10,000円 | 売掛金 10,000円 |
銀行口座にお金(配達料)が送金されたので、1週間貯まってた「売掛金」(未回収のお金)を減らします。
そして銀行口座の資金が増えたので「普通口座」を借方に書きましょう。
現金・クレジットカード払いの両方
では次に「現金払い」と「クレジットカード払い」の両方がある場合を見ていきましょう。
ウーバーイーツでは一定数の配達を行うと、現金払いユーザーも自動的に配達対象になる仕様になっています。
現金払いユーザーが加わることで、仕訳方法がちょっとだけややこしくなります。ですがお金の流れさえ分かれば、特に難しくありません。
現金受け取りが多いパターン
借方 | 貸方 |
現金 10,000円 | 売上高 5,000円 預り金 3,000円 未払金 2,000円 |
上記の仕分けは、「配達が完了して受け取るお金」=「売上」は5,000円です。
しかし配達報酬よりも多く「現金」を受け取ってます。
「現金ー売上高」で余った金額は、「預り金」として処理しましょう。
※「未払金」はこの後説明します。
他人や取引先などから一時的に預かった金銭で、後日その者に返金するもの。
「預り金」として計上しておこう。
では次に多く受け取ったお金は、ウーバーに返さなきゃいけないよね。
どう仕訳をするか説明するね。
この仕分けに至るまでの、流れを細かく解説していきます。
▼STEP1
借方 | 貸方 |
現金 10,000円 |
売上高 5,000円 |
まずは売上(実際に配達してもらう金額)よりも、現金(受け取ったお金)の方が多い訳なので、このような仕分けになります。
▼STEP2
借方 | 貸方 |
現金 10,000円 |
売上高 5,000円 預り金 5,000円 |
差額はどうするかっていうと、預り金で調整します。
実際にもらえる金額よりも、多く現金を受け取ってしまっているため、一時的に預かってるという処理をします。
▼STEP3
借方 | 貸方 |
預り金 2,000円 |
未払金 2,000円 |
1日の配達の中で現金を多くもらい過ぎると、ウーバーイーツ にクレジットカードを使用して、返す場面があります。その際に使用する勘定科目は「未払金」です。
なぜ「未払金」かと言うと、
クレジットカードは1ヶ月間の利用した支払いをまとめて請求します。その間はクレジットカード会社に対して、代金が未払いの状態なので「未払金」です。
▼STEP4
借方 | 貸方 |
現金 10,000円 |
売上高 5,000円 預り金 未払金 2,000円 |
あとは預り金が重なってる部分を処理してあげれば、完成ですね。
借方 | 貸方 |
未払金 2,000円 | 普通口座 2,000円 |
後日、未払いだった代金は、クレジットカード指定の口座から引き落とされます。その際は「普通口座」にある資金が減るので、上記の仕訳処理をしてあげましょう。
現金受け取りが少ないパターン
先ほどのパターンとは、まったく逆。
受け取った現金が少ないパターンを解説します。
借方 | 貸方 |
現金 5,000円 売掛金 5,000円 |
売上高 10,000円 |
クレジットカードのみのパターンと、どこか似てませんか?
そうです。
「売掛金」と言う勘定科目が出てきてます。
売上の一部を先に現金(5,000円)で受け取ったので、売掛金(5,000円)を少なくすれば、完成です。
締め日がきた時点で売掛金が多ければ、口座に送金されるので、その時はクレジットカードのみのパターンと同じように処理してあげよう。
1日の途中でUberに支払ったパターン
ちょっとややこしいですが、ほとんどの仕訳は、このパターンを覚えたら解決すると思います。
1日中ウーバーイーツ をしていると現金でもらう機会が増えてくると、途中でウーバーに支払うよう通知がきます。
ではその時、どのように仕分けをすればいいというと、
借方 | 貸方 |
現金 20,000円 |
売上高 15,000円 未払金 5,000円 |
「売掛金」と「預り金」を一緒に仕分けするようになります。
簿記を経験してない人なら、ここで頭の中がこんがらがってくると思いますので、ここからは分解して解説します。
▼STEP1
借方 | 貸方 |
現金 20,000円 |
売上高 15,000円 預り金 5,000円 |
単純に「売上」は15,000円だけど、受け取った「現金」が20,000円。
こうなるとウーバーから、多く受け取ってる5,000円を支払うよう通知がくるので、登録したクレジットカードで支払います。
そうした場合、
「預り金」の5,000円をクレジットカードで支払うので、「未払金」が増えます。
▼STEP2
借方 | 貸方 |
預り金 5,000円 | 未払金 5,000円 |
クレジットカードを使って支払ったので、「預り金」を減らす処理をするため借方に移し、「未払金」が増えます。
ここまでを一旦まとめると
借方 | 貸方 |
現金 20,000円 |
売上高 15,000円 |
未払金 5,000円 |
結果的に「預り金」は消して、クレジットカードで支払った「未払金」が増えたように処理します。
1日に最後にお金の流れはどうなってたのかが重要。
ウーバーに支払ってない状態では「預り金」にお金がありますが、クレジットカードで支払ったら「未払金」になる訳です。
頭の中でこの処理ができるようになると、仕分けをする時間が短縮されてます。
前日の売掛金があるパターン
ここまでは当日のみの処理でしたが、このパターンでは前日までの売掛金が関係してきます。
借方 | 貸方 |
現金 10,000円 | 売上高 5,000円 売掛金 5,000円 |
現金を多く受け取った場合では、「預り金」で処理してました。
しかし今回は、貸方に「売掛金」を使っています。
理由は、前日までの処理で「売掛金」が残っていたからです。
相手から現金を未回収の時に、使用する勘定科目
ウーバーに対しての未回収を、配達報酬で受け取った「現金」で回収しているので、売掛金を減らす必要があります。
そのためこのように「売掛金」が貸方にある仕訳になります。
預託金
ウーバーイーツの配達パートナーになった際に、ウーバーバッグをレンタルします。
貸し出す代わりに毎週2,000円ずつ差し引かれ、合計8,000円を預かる仕組みです。このお金はウーバーイーツを辞める際に、バッグと引き換えに返却されます。
では差し引かれたウーバーバッグ代を仕訳すると
借方 | 貸方 |
預託金 2,000円 | 売掛金 2,000 |
売上と間違いやすいのですが、ここでも「売掛金」を使います。
理由として、ウーバーバッグ代は配達報酬から預かるようになっているからです。
配達して稼いだお金の一部をバッグ代として預かることで、初期費用がかからないようにしている訳です。
借方 | 貸方 |
普通口座 2,000円 | 預託金 2,000 |
もしウーバーをやめた際には、預かってたバッグ代を登録口座に返金されると思います。
その際は、上記のような仕訳でいいはずです
(まだ辞めてないので、そこら辺がわからないんですけどね…)
- ウーバーバッグの預かり金で使用する
- バッグ代金は、売掛金から差し引く
経費
車両代
借方 | 貸方 |
消耗品費 50,000円 | 現金 50,500円 |
支払手数料 500円 |
配達用のバイクや自転車で、本体価格が10万円以下の場合は『消耗品費』で計上します。
資産扱いにならないので、処理も簡単です。
防犯登録用の手数料は非課税なので、消耗品費と一緒には計上できません。この場合は『支払手数料』の勘定科目を使いましょう。
- バイク(10万円以下)
- 自転車(10万円以下)
- パンクなどの修理費用
旅費交通費
借方 | 貸方 |
旅費交通費 10,000円 | 現金 10,000円 |
この勘定科目を使うのは、バイクの方ですね。
ガソリン代は特に勘定科目が決まってません。「消耗品費」「旅費交通費」「車両代」として処理することができます。
じゃーどれでもいいなら適当にってことも可能なんですが、バイク関連でかかった費用を一元管理したい場合には「車両代」としてまとめると良いです。
車両本体や修繕費用とは別に、ガソリン代がいくらかかっているのか、分けて把握したいなら「旅費交通費」がベスト。
- ガソリン代
- 駐車場代(時間貸)
消耗品費
借方 | 貸方 |
消耗品費 10,000円 | 現金 10,000円 |
消耗品費には、ウーバーで使用する細々とした小物を処理していきます。
そもそも消耗品費は、10万円未満で使用可能年数が1年未満のものが該当します。おもに繰り返し消耗するものを、一括で管理するために使われる勘定科目です。
ちなみに会計ソフトでは「消耗品」と「消耗品費」の2つがあります。
何が違うの?
簡単に言うと「未使用」か「使用中」かだよ。
「未使用」=消耗品
「使用中」=消耗品費
このように使い分ければ良いです。
とはいえ、すぐに使用するものばかりなので「消耗品費」で処理して問題ないですよ。
- シェアサイクル
- ヘルメット
- スマホホルダー
- ライト
- スマホ本体(10万円以下)
損害保険料
借方 | 貸方 |
損害保険料 10,000円 | 未払金 10,000円 |
万が一の事故や損害から身を守るために必要な損害保険です。これも経費に計上することができます。
配達パートナーは1日に何時間もバイクや自転車を運転しますよね。その分、人や車との接触事故が発生するリスクはとても高いです。
au損害保険や、LINE保険に加入してる場合、クレジットカードで支払うケースが多いと思います。その場合は、いったん「未払金」になりますので、上記のような仕訳で処理します。
あたらめて保険の大切さを身にしみて感じましたね。自転車の保険料は、月額1,000円程度と高くありません。
万が一があってからでは遅いので、しっかり加入しておいて損はないですよ。
- 自動車保険
- 自転車保険
通信費
借方 | 貸方 |
通信費 10,000円 | 普通預金 10,000円 |
ウーバーイーツで配達する際に、ウーバーアプリは必須ですよね。
そうなると自前のスマホにアプリを入れて、配達していると思います。その際、自前のスマホであっても経費に計上することが可能です。
ただし全額経費にはできないので注意してくださいね。
按分(あんぶん)って言うんですが、仕事とプライベートの割合を決めて、その分だけ経費として計上する方法です。
- 専業の方なら、仕事7:プライベート3
- 副業の方なら、仕事2:プライベート8
くらいが良いと思います。
あくまでも事業で利用している割合を経費に計上します。100%仕事で使ってると、税務署に説明するのは結構難しので、無茶な割合はお勧めしません。
- スマホの通信利用料金
地代家賃
借方 | 貸方 |
地代家賃 10,000円 | 普通預金 10,000円 |
配達にバイクを使用している方が対象になると思いますが、バイクを停めるために借りてる月極の駐車場代も経費として計上することができます。
仕事として使ってる割合を計上できる点は、先ほどの通信費と同じですね。
- 駐車場代(月極)
まとめ
- 現金を多く受け取ったら「預り金」を使う
- 前日までの「売掛金」も気を付ける
- ウーバーバッグは「預託金」で処理する
- プライベートと仕事の兼用で使う場合は「家事按分」を使う
個人事業主として初めて確定申告をする際、どのように仕分けをすればいいか迷いますよね。
最初は勘定科目の意味がわからず困ると思いますが、よく使う仕訳だけでも理解しておくと、会計ソフトを使う際にスムーズにいきます。
税理士に頼めばラクですが、月1万円はかかります。「freee」や「マネーフォワード」などの会計ソフトで、確定申告ができるようになりましょう!
ありがとうございます。大変参考になりました。
最終仕訳だけではなく、途中STEPまで分解してくれて、とても分かりやすくて、ありがたいです。
こちらは、週単位で帳簿をつけております。以下のケースの場合は、どうすればいいのかは、わかりません。
・週間のトータル売上 > 現金 (例:売上は5000円、現金は3000円)
・しかし、週の途中に一時的に
売上 < 現金 (例:売上は2000円、現金は3000円)
があったので、クレジットカードで支払いました。(カード支払いは1000円)
・そして、Uberからの銀行振込は、
5000円(売上) – 3000円(現金) + 1000円(カード支払い) = 3000円
大変申し訳ございませんが、宜しくお願い致します。